大和田光也全集第24巻 
文章のプロが秘伝する『小論文 作文 』 就職入試対策
(著者)大和田光也
(発行日)2016年8月17日

ネットで、「小論文参考書」と検索すると、数千冊の書籍が出てきます。
それらを調べると、ほとんどのものが、教える観点を間違えているのが分かります。
どのように間違えているのかというと、例で言えば、
ピアノの弾き方を教えなければならないのに、
参考書では、ピアノの構造や力学を一生懸命になって教えているのです。

中には、ピアノの構造のプロフェッショナルになるのではないかというくらい、多くの分量を使って説明しているものもあります。
言うまでもなく、ピアノの構造や力学がいくら理解できたとしても、ピアノは全く弾くことができません。

笑い話ではないですが、ピアノについて、いくらでも説明できるだけの知識が身についているのに、実際にはピアノは全く弾けない、ということになるわけです。
いわば、「小論文の書き方については詳しく説明することができるが、実際には全く書けない」というパロディになるわけです。

そんな無駄な労力を使わずに、実質的に小論文がうまくなることを目的に書かれたのが、
《文章のプロが秘伝する『小論文 作文 』》になります。

『短期完成コース』と『熟練コース』の2種類の書籍を用意しています。

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《文章のプロが秘伝する『小論文・作文 これでバッチリ(短期完成コース)』就職 入試対策》


時間が無くて、短期間で小論文・作文の学習をしなければならない、という人のためのものです。
これは、効率的に試験解答用の文章が書ける実力が、短期間で身につくような構成になっています。

簡明にはなっていますが、十分に入試・就職試験に対応できるものです。
購入は、アマゾンや楽天の電子書籍で可能です。

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《文章のプロが秘伝する『小論文 作文 熟練コース』百の題目 二百の模範文 就職入試対策》



《上記書籍の紹介》
目次
《はじめに》
第一章《書くとは何か》
(A)表現する意味
(B)何をどのように書くか
(C)上手くなるということ
(D)書くことの素晴らしさ

第二章《日常的テーマ》
(A)まず、楽しく書こう
  第1回作文テーマ「私の一日」
  第2回作文テーマ「続私の一日」
  第3回作文テーマ「最も印象に残った出来事」
  第4回作文テーマ「私の未来の一日」
  第5回作文テーマ「電柱は見た」

(B)季節
  第6回作文テーマ「春」
  第7回作文テーマ「夏」
  第8回作文テーマ「秋」
  第9回作文テーマ「冬」
  第10回作文テーマ「スケッチ」

(C)身近な人物
  第11回作文テーマ「母」
  第12回作文テーマ「父」
  第13回作文テーマ「兄弟」
  第14回作文テーマ「姉妹」
  第15回作文テーマ「一人っ子」

(D)学校生活
  第16回作文テーマ「夏休み」
  第17回作文テーマ「体育祭」
  第18回作文テーマ「文化祭」
  第19回作文テーマ「卒業」
  第20回作文テーマ「高校時代」

第三章《情感的テーマ》
(A)喜
  第1回作文テーマ「やさしさ」
  第2回作文テーマ「私の性格」
  第3回作文テーマ「道」
  第4回作文テーマ「テレビと現実」
  第5回作文テーマ「理想の生き方」

(B)怒
  第6回作文テーマ「虐待」
  第7回作文テーマ「MOTTAINAI」
  第8回作文テーマ「人間の本性」
  第9回作文テーマ「キレる小学生」
  第10回作文テーマ「努力は実を結ぶか」

(C)哀
  第11回作文テーマ「高齢者と赤ちゃん」
  第12回作文テーマ「心のふるさと」
  第13回作文テーマ「少子化」
  第14回作文テーマ「定常型社会」
  第15回作文テーマ「今日より明日へ」

(D)楽
  第16回作文テーマ「恋愛」
  第17回作文テーマ「安楽」
  第18回作文テーマ「心」
  第19回作文テーマ「アニメ」
  第20回作文テーマ「人生の価値」

第四章《論理的テーマ》
(A)起
  第1回作文テーマ「高校生の化粧」
  第2回作文テーマ「旅の効用」
  第3回作文テーマ「夫婦別称」
  第4回作文テーマ「夢と現実」
  第5回作文テーマ「人間の条件」

(B)承
  第6回作文テーマ「性善説・性悪説」
  第7回作文テーマ「期待する大学教育」
  第8回作文テーマ「小学校同級生殺人事件」
  第9回作文テーマ「高齢者の福祉」
  第10回作文テーマ「犬は自殺をするか」

(C)転  
  第11回作文テーマ「ゴミ問題」
  第12回作文テーマ「美術の評価」
  第13回作文テーマ「いじめ」
  第14回作文テーマ「母子放火殺人事件」
  第15回作文テーマ「人と自然」

(D)結
  第16回作文テーマ「死刑」
  第17回作文テーマ「音楽の効用」
  第18回作文テーマ「共感と同情」
  第19回作文テーマ「安楽の奴隷」
  第20回作文テーマ「自然保護と発展」

第五章《創作的テーマ》
(A)桜
  第1回作文テーマ「博士」
  第2回作文テーマ「花」
  第3回作文テーマ「髪」
  第4回作文テーマ「悪夢」
  第5回作文テーマ「猫」

(B)梅
  第6回作文テーマ「別れ」
  第7回作文テーマ「やさしさ」
  第8回作文テーマ「道」
  第9回作文テーマ「大切な人」
  第10回作文テーマ「魔法」

(C)桃
  第11回作文テーマ「海水浴」
  第12回作文テーマ「朝の日課」
  第13回作文テーマ「ある夜」
  第14回作文テーマ「淡雪」
  第15回作文テーマ「花畑」

(D)李
  第16回作文テーマ「妹」
  第17回作文テーマ「シャルル」
  第18回作文テーマ「からだ」
  第19回作文テーマ「家出したペロ」
  第20回作文テーマ「友」

第六章《様々なテーマに即応する》
(A)千
  第1回作文テーマ「思うこと」
  第2回作文テーマ「暗いニュース」
  第3回作文テーマ「病人からの問いかけ」
  第4回作文テーマ「遠足の教育的効果」
  第5回作文テーマ「出会い系殺人事件」

(B)差
  第6回作文テーマ「個人主義」
  第7回作文テーマ「だらしないファッション」
  第8回作文テーマ「死のとらえ方」
  第9回作文テーマ「障害者差別」
  第10回作文テーマ「平和」

(C)万
  第11回作文テーマ「自然」
  第12回作文テーマ「消防士の殉教」
  第13回作文テーマ「人」
  第14回作文テーマ「地震」
  第15回作文テーマ「生命の尊厳」

(D)別
  第16回作文テーマ「テロ」
  第17回作文テーマ「日本文化」
  第18回作文テーマ「日本人とイギリス人」
  第19回作文テーマ「外国人の参政権」
  第20回作文テーマ「人類の未来」

第七章《書くことは人生》
(A)書くことは考えること
(B)書くことは深めること
(C)書くことは自分を変えること
(D)書くことは生きること


《はじめに》

なによりもまず、最初に約束して欲しいことがあるんだよねぇ。それは、本書で指示している通りに練習すれば、ほとんどの人は入学や就職の試験に合格するレベル以上の文章力がつくことは間違いないんだけれど、そのためには言われた通りに文章を書くことが最も大切な条件になるということなんだ。

こう言うと、ずいぶん時間も労力もかかるのではないかと心配するかもしれないけれど、そんなことは全くないよ。

「好きこそものの上手なれ」
楽しく文章を書くことが文章力を身につける最大のポイントだね。そのためにもとにかく、本書を学ぶにあたって、まず四百字詰め原稿用紙の準備をしよう。大きさは、貴方の書きやすいサイズのものでいいよ。

四百字詰めの分量にするのは、ほとんどの試験での文字数制限については、何百字以内とか、前後とかといったものになっているねえ。日ごろの練習の時に四百字の分量感覚が身についていると、それを元に、実際の試験の字数に対応しやすくなるからだ。

また、ほとんどの試験は手書きだろうから、キーボード入力に慣れている人も、一字一字、漢字も正確に指を動かして書くという作業にしっかりと対応できるようにしておくことが大切だ。

なによりも大切なことは、原稿用紙に指示された通りに実際に書くということだ。〈文章の書き方〉をいくら勉強したとしても、文章を書けるようになるものではない。そんなことに時間を費やすより、実際に原稿用紙一枚に文章を書くことの方が、はるかに文章力をつけることには役に立つんだよ。

ピアノの弾き方を、ああだこうだと理論的に講義を受けるよりも、何はともあれ実際に鍵盤を指でたたいた方が、上達が早いのは決まっているよね。

文章修業は、理論ではなくして、実践なんだ。このことは最後まで忘れないでね。
本書には途中で多くの写真が挿入されている。こんなものだ。

プロの論文宣伝2

写真が挿入されているところでは、貴方が指示された文章を書いている時間であることを意味しているんだ。だからここで、書くことが何も思い浮かばなければ、ぼんやりと窓の外でも見ていればいいよ。そのうち、眠りさえしなければ、何かが頭の中に浮かんでくるから。

そうして、余り意気込まずに、書くことが非日常ではなく、日常当たり前なことと思えるようになればOKだ。徒然草には、
『つれづれなるままに、日くらし、硯に向かいて、心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ』
とあるねぇ。この〈あやしうこそものぐるほし〉の解釈には何通りかあるけれど、少なくとも、書くということが、非日常的な精神状態になってくることを指していることは間違いなさそうだ。

中世の時代に生きた吉田兼好法師でさえこうなんだから、ましてや、現代社会に生きる私たちにとっては書くことは、非日常の感覚になっても当たり前だろうねえ。こう言うと、
「いや、そんなことはないよ。私なんかは毎日数え切れないくらいスマホで文章を書いてメールで送っているわ。まさに文章を書くことは日常そのものだわ」
と言うかもしれないね。

ウーン、なかなか、いいぞ。その調子で、何でもかんでもとにかく書いてやる、というくらいの気持ちで、練習していこう。そうして書くことに集中していると〈あやしうこそものぐるほし〉という心理状態が、実感を伴って理解できるだろう。

そうなると、貴方の文章もレベルが高くなってきていると言えるだろうね。

ところで、本書の文体は、である調、だ調、ですます調、論文調、随筆調、会話調などなど、バラバラだ。また、内容にも同じことを少し表現を変えただけで、何度も記述している箇所があるんだよね。

どうしてかというと、本書は、ぼくがこれまで様々な所で、様々な聴衆を相手に授業や講習をしてきた内容をまとめたものなんだ。そして、表現や内容なども統一せずに掲載しているので、不揃いになってしまったんだよ。だから貴方は、この地の文の真似をしないようにしてよね。

それで、貴方が書く文体や文調はどのようなものにしたらいいのかを分かりやすくするために、見本になるような作文例をたくさん書いたよ。すべてぼくの創作だ。貴方はこの作文例のような文章を書けるように練習すればいいんだ。

今、ぼく自身の文章修行を思い返す時、非常に反省していることがあるんだ。
ぼくは二十歳の時に小説家になろうと決意をした。それ以来、人生のすべてを賭けるようなつもりで、作品を書いてきた。しかし、いっこうに芽が出る気配は見えなかった。

それでも、誰にも文章や小説の書き方を教えてもらうことはしなかった。どこかの文芸仲間や、同人誌仲間に入ることもなかった。文章教室や作家が主催しているような文学講座に出席することもなかった。

それどころか、小説や文章の書き方を教えているような書物にも一切、目を通すことはなかった。さらに、他人の書いた小説を読むことさえも止めてしまった。

「小説を書こうという人間が、他人から教えてもらわなければならないようでは、初めから小説家になる資格などないし、そんな人間はいくら努力をしたって、所詮、小説家になどなれるわけがない。また、他人が書いた小説を読んで感動しているようでは、それはすなわち、作者にだまされているわけだから、そんな単純な人間に、読者をだませるような小説が書けるわけがない。ぼくは、唯我独尊(ゆいがどくそん)で、誰に教えてもらうこともなく、自らの力で絶対に小説家になるんだ」

こんな深刻で真剣な決意でひたすら原稿用紙に向かっていた。そして数え切れないほど文学賞に応募したけれど、全くだめだった。
それでも十数年間書き続けて、三十二歳の時だ。どうにか、月刊文芸雑誌の新人賞を受賞することができた。

青春時代の掛け替えの無い期間に、膨大な時間と膨大な労力を注ぎ込んでしまったよ。

もしぼくが、小説の師匠や先輩に適確なアドバイスを受けながら書いたとしたら、おそらく、三分の一の期間で新人賞受賞まで、いけたのではないかと思うねぇ。
ずいぶん無駄な労力を費やしたことになったよ。

スポーツでもそうだね。百メートル走を練習するのに、自分独りで必死になって努力すると、ある程度のところまでは記録は伸びる。ところが、間違いなく壁にぶち当たるねぇ。

この時、さらに自分独りで、ああでもないこうでもないとフォームなどを考え直しながら努力をしても、たいていは、行き詰まってしまうんだよね。

それに対して、経験豊かな先輩や監督にちょっとしたアドバイスをもらうことができると、驚くほどスムーズに自分の壁を破ることができ、大きく記録を伸ばすことができるものだよね。

本書はスポーツにおける先輩や監督のように、貴方にできるだけ無駄な労力を使わさずに、必要以上の文章力を身につけさせるためのものだよ。そのためには、意気込んだりせずに、ありのままの自分の姿や考え方を素直に書いていくことが大事だよ。

そして何より、〈書くことは楽しい〉と思えるような文章修業をしていこう。
貴方が本書によって新しい自己発見をし、自分で予想した以上の文章が書けるようになって、喜んでくれることを祈っているよ。

二〇一五年春  
何の飾り気もない作業室にて 筆者

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この《文章のプロが秘伝する『小論文 作文 熟練コース』》の特徴は、問題数が100種類も用意されているということです。
それぞれの類似系の問題も考え合わせると、たいていの就職・入試の課題に対応できるようになっています。

そして、各問題に対して、視点の違う2種類の模範解答文を提示しています。合計200種類の解答例を掲載しています。

学習者は、自分の書いた文章と2種類の解答例文を比較することによって、偏狭な書き方の型に押し込めるようなことはせずに、自分らしく完成させた文章にすることができます。
それが、高得点にもつながります。

購入は、アマゾンや楽天の電子書籍で可能です。

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今後、文章を書くうえで、物事に対する切り口や、社会の中での位置づけ、そして、客観的な記述と高評価になる記述などについて、楽しく読み進めるうちに身につく書物を、
オチケン風『日本文学史』》として、無料公開していますので、利用してください。